ボランティアをすると認知症になりにくい?
今日は2017年のこちらの論文をご紹介します。
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https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/28301554/?i=32&from=reduce%20risk%20dementia
人生の後半での社会的、身体的、認知的活動を特徴とするボランティア活動は、認知障害の減少と認知症率の低下と関連しているということを検証したい。我々は、2010年、2012年、および2014年のスウェーデン国内処方薬物登録簿からの自己報告、および登録データ等を用いて、これらの仮説を検証する。 1)ボランティアはしない(N = 531)、2)時々ボランティアする(N = 220)、3)継続的にボランティアする(N = 250)という高齢者3群について、ベースラインを調整した上で、パス解析により、自己報告された認知症状および認知症治療薬の処方状況とボランティア活動の関連を調べた。結果、継続的にボランティアを行っていた高齢者は、認知症の訴えが時間とともに減少したと報告したが、他のグループについてはそのような関連性は認められなかった。さらに、2012年および2014年にそれぞれ2.44(95%CI [1.86,3.21])および2.46(95%CI [1,89,3.24])倍の認知症治療薬を処方される可能性は低かった。この結果は、人生の後半におけるボランティア活動が、事後報告された認知症状の低下と、認知症のリスクの低下とに関連しているという仮説を支持するものであった。
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ボランティア活動をした方が認知症を予防できるという話です。
しかし、ボランティア活動をしていると刺激を受けて認知症予防になるということなのか、そもそもボランティアしよう、人のために何かしたいという気持ちがある人が認知症になりにくいということなのか解釈に悩みます。
あるいはもっと言えば、人のために何かしたいという気持ちが起こらなくなったということが、初期の認知症の症状なのかも知れません。
とはいえ、人に親切にすることは、認知症リスク減少とは関わらず、自分の周りに好循環を生むことなので、できる限りそのように生きていきたいとは思いますけどね。