科学的根拠に基づく認知症予防

母が認知症。今から私にもできる、科学的に根拠のある予防法を試しています。

市販の鎮痛薬に認知症予防効果があるかも

今日は、2017年に掲載されたこちらの論文をご紹介します。

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Targeting neuroinflammation in Alzheimer's disease: evidence for NSAIDs and novel therapeutics.

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27293026

 

アルツハイマー病の発症に免疫系が関与しているのではないかという認識が高まっている。免疫系を調整する非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)は、アルツハイマー病のリスクを軽減する薬剤として、前臨床研究や疫学研究で取り組まれてきた。
本研究では、作用機序、疫学研究の結果、無作為化比較試験のデータにより、アルツハイマー病に対するNSAIDsの効果の科学的根拠(エビデンス)を検討する。さらに、現在、開発中の前臨床段階および臨床段階にある炎症を標的とするための新しい方法を調査する。NSAIDsは、主としてミクログリアの機能を調節し、アミロイド-β食作用を増強し、潜在的に有害な前炎症反応を抑制し、全身免疫を増強するように作用する。
NSAIDsの長期使用は、疫学研究ではアルツハイマー病の発生率低下と関連するとしているが、無作為化比較試験ではこれらの知見を支持していない。したがって、NSAIDの使用は今のところ、アルツハイマー病の一次予防や治療に推奨することはできない。しかし、他の病気でNSAIDsを長期服用している認知症でない患者では、アルツハイマー病のリスクが低下するというエビデンスがあることを示す研究もある。

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NSAIDsというのは、バファリンとか、イブとかの鎮痛薬のことです。ステロイド以外の鎮痛薬のことをひっくるめてこう呼んでいます。この論文では、こういった薬に認知症予防効果があるかもしれないと言っています。

このNSAIDsの一つにアスピリンという薬があります。アスピリンのうち低容量のアスピリンは鎮痛薬とは違った使われ方をしています。心臓発作などの再発防止目的で投与されているのです。血液を凝固される血小板の作用を抑えて、ドロドロ血を防ぐ効果があるようです。日本では心筋梗塞などに既往があるなど方には処方されていますし、アメリカでは市販されています。

 

実は私、このアルピリンの低容量タイプのものを二年くらい前から毎日飲んでします。

 

私は認知症予防のために飲み始めたのではなく、もともと飲んでいた夫が体質的に合わないということで(夫は出血しやすいらしく、皮膚の内出血を起こしていましたから)、残ったのを私が飲んでみたのです。すると、私にはかなりいいのです。なんというか、それまで頭の後ろが重たいような嫌な感覚があったのがなくなりました。その頭重感の延長線上として起こっていた頭痛も大幅に減りました。おまけにそれまで重かった生理痛までなくなくなったのです。

 

薬を毎日飲むことには抵抗がある人が多いと思うのですが、アスピリンはもともと植物由来で、古くからある安全性も確立されている薬なので、心配しすぎなくてもいいように思います。ただし日本では低容量アスピリンは現時点では市販されていません。私はアメリカから通販で買っています。市販薬をピルカッターなどで切ってもいいかもしれませんね。